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第18回 I LOVE 遠賀川流域住民交流会in嘉穂

  アトラクションチェンソーによる木彫りの実演
  施設見学を追加しました 

 
アトラクションでは木彫り名人のチェンソーによる実演会が行われ、何ができるか皆さん真剣に見入っていました。 
 
第18回 I LOVE 遠賀川流域住民交流会in嘉穂が6月17日(日)、遠賀川源流の町嘉麻市嘉穂、生涯学習センター「夢サイトかほ」で開催致しました。

「ILOVE遠賀川流域住民交流会」は遠賀川流域で活動する団体や住民が情報交換する場として、NPO法人遠賀川流域住民の会が呼びかけ、遠賀川流域の各地で毎年開催しています。今回第18回目を迎えました。

基調講演に嘉麻市役所生涯学習課文化財係長の福島日出海氏に『久保田堰の舟入り』をテーマに、遠賀川の支流千手川に残る「久保田堰」や「八反田舟入り場」など、年貢米を運ぶために水運を利用した当時の人々の様子をお話していただきました。

活動団体報告では上流から、、「ヤマメのふ化・飼育そして放流」と題して、嘉麻市立宮野小学校6年生の児童が昨年11月からヤマメの卵をもらい、ふ化・そして飼育など、2月28日にヤマメの稚魚の放流までの記録を発表していただきました。

中流から「中島の自然再生事業」と題して、国土交通省遠賀川河川事務所  河川環境課 柴田 みゆき氏に遠賀川における自然再生事業の取り組みの様子、今後の課題などをお話していただきました。

下流から「堀川の自然を活かした地域おこし」と題しておりお堀川を愛する会 重藤 一氏に堀川いっせい清掃や堀川まちおこしとして頑張っている皆さんの取り組みの様子を報告いただきました。

今回アトラクションとしてチェンソーを使って巧みな技で木彫りの実演会20分ほどでかわいらしいアヒルができました。

また、今回は施設見学として「鮭神社」「サケのふ化飼育場」を遠賀川源流サケの会の皆さんによって案内をしていただきました。


冒頭、NPO法人遠賀川流域住民の会理事長窪山より、

今年度1月に遠賀川流域の22の市町村長が集まって『遠賀川流域リーダーサミット』を開催、小川県知事もご出席いただきました。

遠賀川を守り、流域の山や川を守っていくために、
①私たちは、水源の山々から海までつながり響きあう、生命の環を育てます。
②私たちの、ふるさとの川、遠賀川を誇りに思い、みんなで守ります。
③私たちは、深い感謝の心をもって、遠賀川に礼をつくします。

遠賀川宣言を採択しました。

私たちの祖先が古代から生活できたのは遠賀川があるからです。そして、現在の私たちが生きています。山・川・自然を常日頃から生活の中で考え、子どもたちに伝えていくことが大切だと考えています。

とあいさつされました。



 

来賓挨拶をしていただきました。
   
国土交通省遠賀川河川事務所長西澤 洋行氏 嘉麻市長 松岡 賛氏  

基調講演  テーマ 「久保田堰の舟入り」
嘉麻市役所  生涯学習課文化財係長 福島 日出海氏
上臼井八反田の船入場

嘉麻郡の年貢米は陸運で飯塚まで運び、そこから船で遠賀川を下って、黒崎から船積みをして大阪まで運んでいた。しかし、陸運では各人が牛馬を使って運びため、個人の負担が大きく、運ぶ量も牛馬1頭につき米2俵と決められていた。ほかの牛馬を用立てると借賃とえさ代がかかるためますます個人負担が増える。

そこで、八反田(碓井)に船入場を設けて、年貢米を水運を利用して運ぶことで個人の負担を減少させた。現在は水神様が祭られている。また、石碑には功績のあった大庄屋事を忘れないようにと記されている。

堀川(宮田)
秋月藩は上才田の中島(橋)に蔵屋敷を設け、嘉麻群内の秋月藩領の千手一帯の米と夜須方面から新八丁を越えてくる米を集積。八反田の船入場までは遠賀川の支流、千手川の水流を利用し、途中から分岐させて赤松丘陵(昭嘉)脇を通して堀川をつくり、小さな川ヒラタで運ぶこととした。

堀川は前田山(現碓井小学校)の丘陵地を迂回させる際に、硬い岩盤のため掘り進めるのに苦労したと言われている。

久保田井手石井手改築
1835(天保六年)、それまでの井手は抗葉堰のため、毎年洪水に合うたびに流失していたため、石井手に改築、大石を運び畳上げになっている。花崗岩の大きな石を畳のように積み上げている。その長さは3m、中央に2.4mの溝を作って船が通れるようにしている。現在もその大きな石は残っている。当時の工事はほとんど地元の農民が率先して手伝ってつくられたと言われている。
花崗岩の石で畳を敷いたように作られている。長さ30m。中央に川ヒラタが通れるように2.4mの溝になっている。  千手川から分岐して堀川が作られた。 


   活動報告  

   上流の活動団体  「ヤマメのふ化・飼育そして放流」
            嘉麻市立宮野小学校 六年生

 
宮野小学校は遠賀川の最も上流、 源流地点にあります。毎年各学年ごとに、生活科や総合的な学習時間に校区を流れる遠賀川の学習を行っています。

6年生は校区を流れる遠賀川(数か所)の水質調査を行います。水生生物検査やCODを使ったパックテストで、水がきれいかどうか見ます。水生生物検査では川の中にいる生物で点数をつけます。平均点数で3.5以上はとてもきれいな川です。どの個所もサワガニやオニヤンマ、カワニナなどで、平均点4以上でした。また、CODパックテストでも数値はピンク色(0~2)でした。結果、校区を流れる遠賀川はとてもきれいな川と分かりました。

遠賀川は61km、この遠賀川がどこまで続いているのか、そして水質はどこまでもきれいなままなのか疑問に思い、インターネットで遠賀川がどの街を流れているのか調べました。そして、飯塚市・直方市,河口堰を調査しました。

飯塚市は川幅もだんだん広くなってきました。CODパックテストではピンク色が変わってきました。
直方市では、ピンク色ではなくなりました。これは、生活排水やゴミを川に捨てる人が多くなって川が汚れていることを教えていただきました。
河口堰では、源流に比べてきれいではありません。遠賀川の水は私たちが生活するためにとても大切な水であることを教えていただきました。

九州の一級河川の中で遠賀川の水は常にワースト1~3位と言われていますが、私たちの校区を流れる遠賀川はとてもきれいです。水を大切に使いゴミを捨てない、きれいな遠賀川を守り続けます。

また、「昔はヤマメがたくさんいた」と地域住民から聞いたことをきっかけに「ヤマメのふ化・飼育・放流」をはじめて10年目になる取り組みを発表。「きれいな川でたくさんのヤマメが元気に育ってほしい。そのためにもきれいな遠賀川をずっと守っていきたいと思います」と発表された。。


  中流の活動団体  「中島の自然再生事業」
                 遠賀川河川事務所 環境河川課

 
 
 自然再生事業とは、自然の再生能力を越えた自然資源の過度の利用などの行為により、自然環境の悪化が進んできています。自然と共生する社会の実現と地球環境の保全が重要な課題となっています。

このため、生態系の保全や生物種の保護のための取り組みを推進することはもちろん、過去に損なわれた自然を積極的に取り戻す「自然再生によって地域の自然環境を蘇らせることが必要となっています。

自然再生事業は、過去に失われた自然を積極的に取り戻すことを通じて生態系の健全性を回復することを直接の目的としています。単に、景観を改善したり、特定の植物群洛を植栽するというのではなく、その地域の生態系を質を高め、ひいては、その地域の生物多様性を回復していくことに狙いがあります。
現在遠賀川河川事務所での自然再生事業の取り組みとして、①干潟の保全・再生  ②蛇行河川の復元  ③湿地の再生  ④樹林地や里山の保全・再生。に取り組んでいます。中島は湿地の再生の取り組みです。

遠賀川はどのように変わったのでしょうか。昭和23年の遠賀川の航空写真と現在とを比較すると。昭和23年頃の遠賀川は広大な干潟・ヨシ原の湿地帯が広がっています。河道は蛇行し、ワンド・たまり・クリークがあります。昭和55年遠賀川河口堰が設置され、高水敷の埋め立てによって干潟・湿地が消失しました。高水敷きは採草地として利用されワンドやたまりは確認できません。さらに現在では河道の拡幅・直線化が進んでいます。

遠賀川沿線の湿地は88%が減少、さらに河道内湿地(川の中)93%が減少しています。
では、なぜ中島なのでしょうか。
中間市中島は遠賀川河口から約12kmに位置します。面積は約30ha(延長約1.1km×幅0.3km)福岡ドームの約4個分の面積を持つ巨大な島です。

市街地の近くにありながら30haという広大な土地を維持し、中下流において都会に残る唯一の自然です。
遠賀川の川づくりとしての課題は、湿地の減少に伴い生物多様性の低下、人と川との関わりの希薄化があります。中島自然再生事業は都市部にある自然再生として生態系と人、治水と環境のバランスに関しても、この事業を通して、生物多様性豊かな未来の遠賀の川づくりになっていくと思われます。

中島自然再生事業は中島自然再生計画検討委員会を開催、併せて住民の声を聞く住民ワークショップを開催してきました。中島現場見学や意見交換、中島の自然や治水等の勉強会などを行った結果、中島にあった中島自然再生マップが出来上がりました。掘削後の中島の様子をモリタリングの結果、22年6月から23年10月を比べるとヨシ群落が増加していることが分かります。

湿地域の指標種としているタコノアシ、カワデシャ、ヨシが継続的に確認されている。また、H23年には指標種のヒメガマ、マコモが確認された。また、指標種であるツチフキ、メダカが確認され、希少種であるニッポンバラタナゴが確認されている。今後はドジョウが確認されることを期待したい。

今後は自然の管理として、事業後も継続的にモリタリングを実施、改善できるところは改善し、さらに生物にとって住みよい生息空間を創出していく。生物多様性につながる。

広い情報の共有をはかることが大切。自然に対する見方は、その自然を観察する人によって違ってくる。学識者から得られる知見や地域住民の方からの情報提供より気づかされる部分もある。

人と自然との関わりとして、より多くの人が、自然とかかわることができるように、自然環境学習の場の創出をしていく。、

また遠賀川の河川事務所の事業として遠賀川河口堰魚道改良事業の紹介、遠賀川と海がつながりました。


  下流の活動団体  「堀川の自然を活かした地域おこし」
                             おりお堀川を愛する会

         

 
堀川の歴史
遠賀川の下流中間市から北九州市折尾を通って洞海湾に流れている堀川は、1620年に福岡藩主・黒田長政が遠賀川の洪水の実態を視察し、堀川運河を計画された。家老・栗山大善が総責任者となって第一期工事(岩瀬~吉田)が始まる。1623年黒田長政が死去、工事が中断となる。その後、洪水や日照りが続き多くの死者が出る。1751年、6代目藩主黒田継高により第二期工事(車返しの切り通し)が再開。1757年車返しの切り通りが完成。1762年第二期工事が完成。則松川(金山川)に直結し、堀川が洞海湾にへ通じる。第三期工事(中間唐戸)が始まる。1763年川ひらたの運行が始まる。上流の直方や飯塚でたびたび洪水が発生する。1804年第四期工事(寿命の唐戸)の工事が始まり、完了。堀川運河が全線開通する。1899年川ひらたが最盛期を迎える。1938年この年を最後に堀川から川ひらたが姿を消す。

堀川いっせい清掃
北九州市の折尾駅前を流れる堀川はきたないイメージがありましたがこの「堀川を何とかしよう」平成14年度から堀川地域で始まった堀川一世清掃。この清掃活動を通じて①堀川の大切さを多くの人と共有する。②ふるさとを愛する心を育む。③モラルとマナーを向上させ、堀川をきれいな川に再生させる。など住みやすいまちになることを目指しています。平成15年度からは水巻地地区と中間地区。平成16年度からは楠橋地区が参加しました。

堀川まちおこし事業
かっては灌漑用水の確保や物資の輸送手段としての役割を担いながら、流域の人々に多くの恵みをもたらしていた運河「堀川」。しかし、近年その役割がなくなると、人々の川に対する意識が薄れ、堀川を大切にする気持ちが失われつつあります。そのよう中、平成13年から堀川流域全体に交流や連携を深めるために、地域やボランティアと行政が協働で堀川を愛する活動を開始しました。ペットボトル風車。一斉清掃。ウオーキング。九州共立大学ゼミ。堀川を知るバスツアー等を行ってきました。

堀川いっせい清掃では平成14年度40人からスタートした一斉清掃も平成23年度は400人近い人々が堀川に集まりました。また、多くのメディアにも取り上げられ、自然やまちを愛する心が広がっていると感じます。

   アトラクション   チェンソーによる木彫りの実演会

 20分ほどでかわいらしいアヒルができました。チェンソーを巧みに使って出来上がったアヒルに皆さん拍手喝さい。
アヒルは参加者に記念としてプレゼントされました。
 
 

 
遠賀川のゴミ減量作戦で葦を刈り取り、それを肥料に加工、その肥料で作った野菜が展示。 
その後交流会で頂きました。
レタスはとてもぱりぱりしておいしかったです。
森の木琴も展示 
 
遠賀川源流サケの会の紹介 

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施設見学(サケのふ化・飼育場
 
   
 
 これまでの施設が老朽化したため、新しくふ化・飼育場を多くの皆さんの協力で設立。今年の冬からサケのふ化・育成が始まります。

この施設では、サケの卵のふ化には欠かせない安定した水の供給ができます。代表の青木会長は「サケを育てるためには安定した水の供給が必要です。源流の水をたくさん与えることで、高いふ化率と飼育ができます。また、足場もよくなって飼育作業も楽になりました。子どもたちやたくさんの親子連れが安心して見学することができます。皆さんサケの稚魚を見に来て下さい」と話されていました。
 
   

鮭神社
   
   
感想
 初めて鮭神社やサケのふ化・飼育場に来ました。嘉麻市は古い歴史とすばらしい伝説があることを知りました。春になると青木さんからサケの稚魚を分けていただき子ども達と放流事業に参加していましたが。鮭神社のこと等子ども達に話してあげたいと思います。子ども達と見学に来たいです。(参加された女性の方)                                                          
 嘉麻市大隈の歴史を感じます。1200年前のサケ神社に感動しました。



 参加者の感想をお聞きしました。
 ・  遠賀川が住む人にとって重要の役割があることが分かりました。堰を作るために大きな石を運ぶこと、どのように運んだのだろうかと思います。その動力は農民の無償の力であり、川を大切に思う皆さんの心だと思いました。私たちはもっと川を身近に思い大切にしたいと思いました。
 ・ 宮野小学校の川に対する思いを知りました。「僕たちの遠賀川の上流はきれいなのに下流にいくと九州の一級河川の中でワースト1から3位!きれいな川にしていくことは住民の責任だと思います。
 ・ 中島の改修工事のことが良く分かりました。本来の自然が戻ってくれることを願っています。