4月23日英彦山で、4月19日が雨のため延期となっていたブナの苗木の植樹が行われました。
参加者は平日のため減少していましたが天候にも恵まれ、苗木83本が植えられました。
福岡県のブナは気温の低い標高1000メートル以上に育成します。中岳から北岳一帯に広がるブナ林は西日本有数の美林で、その林床をクマザサが埋め尽くしているのが特徴で、大変貴重な樹林でした。1991年の台風17号―19号によって英彦山では千本杉が被害を受け、同時にブナ林も被害を受けました。その後、台風の後遺症やシカの被害と思われるブナの衰退や枯損が目立つようになりました。
霊山英彦山は日本三大修験道場の一山で、福岡県を代表する山です。と共に、水分の霊山として、遠賀川、今川、山国川、筑後川流域の人々から篤く信仰されて、大切な命の水の源です。英彦山「霊山会」は平成2年、英彦山山頂周辺の植物に異変が見られるようになり、田川山の会の会員を中心に発足しました。会員は10月ごろに英彦山のブナの種を集めて、苗木を育てます。3月に山頂周辺に育てたブナの苗木を植樹をしています。
平成10年には台風による山頂周辺のブナの被害が進み、英彦山霊山会、田川高校卒業生や在校生、福岡県山岳連盟、マップ山の会、大宰府登山愛好会、豊前登山愛好会、筑豊市民大学、香春道草の会、また、地域の人々と共にブナの再生に取り組んでいます。
今回は中岳に6年育てた苗木を83本植えました。植樹する場所はシカから苗木の新芽が食べられないようにネットで囲っています。しかし、ネットを越えて侵入し、ネットに絡まって逃げられないシカがいたようです。
前年度植えた苗木もシカの被害にあっていましたが、被害にあっていない苗木を見つけて、皆さんはほっとした笑み浮かべて周りの草を取り除いていました。
会員は
シカが勝つか、人間の忍耐が勝つか、根比べです。
と話していました。
当日参加された皆さん本当にお世話になりました。香春町の道草の会、県の皆さんありがとうございました。
2011年の様子はこちらから 2010年の様子はこちらから 英彦山「霊山会」永井会長の紹介
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